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1.能登半島地震・新潟県中越沖地震の概要

 消防庁防災課

 

■ はじめに

 最近発生した地震災害のうち、能登半島地震と新潟県中越沖地震は、未把握の活断層における地震として注目されているが、現在、地震調査研究推進本部(事務局:文部科学省)が調査、研究の対象としている98の活断層以外の活断層による地震と言える。
 この2つの地震を比べると、地震の規模が同じ程度で、震央も同じような場所であり、発生時刻も差がないのに、被害には大きな隔たりがある。
 震源地に近い都市を比べた場合、能登半島地震では石川県輪島市であり、新潟県中越沖地震では柏崎市であるが、輪島市の面積は426.21平方辧柏崎市のそれは442.7平方劼箸曚榮韻犬任△襪里紡个掘⊃邑では輪島市が34,687人(13,294世帯)、柏崎市が97,896人(33,473世帯)と約3倍人口が密集している。
 また、被害程度が大きかった市町村を見ても、能登半島地震では5市町村(石川県)であるのに対し、新潟県中越沖地震では9市町村(新潟県)にまたがっている。下図は、国土地理院が発表した合成開口レーダーの解析による地殻変動を表したものであるが、被害の分布に類似している。

■ 平成19年能登半島地震

1 地震の概要
発生日時
平成19年3月25日(日)9時42分頃
震央地名
石川県能登半島沖(北緯37度13.2分、東経136度41.1分)
震源の深さ 約11
地震の規模 マグニチュード6.9
各地の震度
<震度6強>
(石川県)七尾市、輪島市、穴水町
<震度6弱>
(石川県)志賀町、中能登町、能登町
<震度5強>
(石川県)珠洲市
<震度5弱>
(石川県)羽咋市、宝達志水町、かほく市
(新潟県)刈羽村
(富山県)富山市、滑川市、舟橋村、氷見市、小矢部市、射水市

2 被害の概要(平成19年6月14日現在)
人的被害 死者1人、負傷者(重傷)72人、(軽傷)287人
住家被害 全壊638棟、半壊1,563棟、一部破損13,556棟
火災発生 なし

3 避難者の状況
 下図に示すとおり、避難者数は発災から約1週間程度がピークであり、その後減少する傾向にある。

4 被災状況
 特に被害が大きかった輪島市内の状況を見ると、被害は輪島市門前地区に集中しており、木造家屋の倒壊が顕著である。また、幹線道路や生活道路が被災すると、救援部隊の通行に支障が出る。

住宅の被災状況
(輪島市門前地区)
住宅の被災状況
(輪島市門前地区)
道路の被災状況(輪島市)有料道路の被災状況
(輪島市内)

 大きな被害が出た市町村の災害対策本部は一様に混乱した状況が見受けられる。
 写真は被災から2日目の輪島市門前地区の避難所の状況である。

輪島市災害対策
本部の状況
輪島市災害対策
本部の状況
避難所の状況避難所の状況

■ 平成19年新潟県中越沖地震

1 地震の概要
発生日時
平成19年7月16日(月・祝)
10時13分頃
震央地名
新潟県上中越沖(北緯37度33.4分、東経138度36.5分)
震源の深さ 約17
地震の規模 マグニチュード6.8
各地の震度
<震度6強>
新潟県長岡市、柏崎市、刈羽村、長野県飯綱町
<震度6弱>
新潟県上越市、小千谷市、出雲崎町

2 被害の概要(平成19年8月19日現在)
人的被害 死者11人、負傷者(重傷)177人、(軽傷)1,810人
住家被害 全壊1,069棟、半壊2,129棟、一部破損23,564棟
火災発生 3件(建物火災1件、その他火災2件)
その他 パイプラインからの原油漏洩2件

3 避難者の状況
 下図に示すとおり、避難者数は発災から約1週間程度がピークであり、その後減少する傾向にあるが、最も被害が大きかった柏崎市では2週間以上経過した段階でも1,400人以上の避難者が存在する。

4 被災状況
 写真のとおり、木造家屋の被災状況は能登半島地震と同様である。商店街には雪国らしく雪除けの雁木が設けられているが、建物の倒壊に合わせて傾いてしまっている。
 木造家屋が道路に面したところでは、建物の倒壊により道路が封鎖され、通行障害となっており、緊急自動車等の通行に支障をきたした。この状況は、阪神・淡路大震災をはじめとする地震災害における課題とも言える。

住宅の被災状況
(柏崎市内)
商店街の被災状況
(柏崎市内)
住宅の倒壊による
道路閉鎖状況
寺社の倒壊状況
(柏崎市内)

 JR越後線の柏崎駅では地震により2両編成の列車のうち、先頭車両が脱線した。この事故によるけが人は出ていない。また、信越線の青海川駅付近では土砂崩れが発生し、大量の土砂が線路を覆ってしまったため、未だ復旧しておらず9月中旬までかかる見込みであると言われている。

JR越後線柏崎駅
での列車脱線
JR信越線青海川駅
付近の土砂崩れ

 柏崎市、上越市及び長岡市の災害対策本部の状況は、写真が示すとおり被災程度が大きかった柏崎市が雑然としているほか、上越市や長岡市は整然としている様子が伺える。

柏崎市災害対策
本部の状況
柏崎市災害対策
本部の状況
上越市災害対策
本部の状況
長岡市災害対策
本部の状況

 避難所の状況を見ると、最も避難者数が多かった柏崎小学校も、1週間程度経過すると、かなり空きスペースが目立つようになっている。

避難所(柏崎小学校)
の状況(7/16)
避難所(柏崎小学校)
の状況(7/24)
避難所(柏崎小学校)
の状況(7/16)
避難所での給食
の状況(7/16)

 阪神・淡路大震災以後に発生した大規模な地震の発生日を見ると、秋から春にかけた時期(9月に1件、10月に2件、1月に1件、3月に3件)に発生しており、外気温はそれほど高くなかったと考えられる。一方、新潟県中越沖地震の発生日は7月16日であるから、夏場に発生した地震として注目する点が多々あるように思われる。



NO.90 (2007.秋号)
巻頭随想 自然と付き合って活きるために
1.能登半島地震・新潟県中越沖地震の概要
2.能登半島地震、新潟県中越沖地震における緊急消防援助隊の活動状況について
3.会議の「見える化」で進めやすかった支援ー県市合同会議
4.簡易型地震被害想定システムとその活用ー2007年能登半島地震、新潟県中越沖地震ー
5.緊急地震速報の提供開始〜地震被害を少しでも軽減するために〜
6.阪神・淡路大震災10年以降のボランティア活動ー中越地震から能登半島地震へー
連載講座 連載第6回 防災監のための危機管理講座
連載講座 連載第2回 情報と防災
地域防災実戦ノウハウ(53)
火災原因調査シリーズ(46)・コンロ火災
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