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5.茨城県における新型インフルエンザへの対応

茨城県生活環境部危機管理室 

1 はじめに

 平成21年4月25日(土)夕方、国から「メキシコ及び米国における豚インフルエンザ様症状の発生」の情報が入った。
 本県の新型インフルエンザへの対応については、国の行動計画の見直し(平成21年2月)を踏まえ、平成21年度早々に県の行動計画を見直すとともに、その検証を行うための訓練を予定していた矢先のことであった。
 本稿では、本県の対策本部を所管する危機管理室としての対応について述べることとする。

2 茨城県の対応

 本県においては、平成17年12月に「茨城県新型インフルエンザ対策本部」を設置し、「茨城県新型インフルエンザ対策行動計画(平成17年12月策定、20年2月改訂)」を策定するとともに、感染症の専門家等による「新型インフルエンザ対策検討委員会」を組織し、県内発生時において迅速かつ的確な対策を講ずるための検討を行うなど、新型インフルエンザ発生時における危機管理体制を構築してきた。
 また、平成20年8月には、「新型インフルエンザ対応マニュアル」を策定し、発生時の県独自の具体的な対応について示し、地域の実情に応じた必要な対策を講じていくこととしている。
 なお、本県の対策本部は、下図の組織で構成し、全ての災害等に迅速かつ的確に対応できるよう、保健福祉部職員で構成する医療対策班を除き、災害対策本部と同一の職員で構成されている。

3 危機管理部局(危機管理室)の対応

◆本県の役割分担

◆情報の提供
 危機管理室が行う新型インフルエンザへの主たる対応業務としては、市町村及び消防本部を始め、県民への情報の提供であった。
 特に、県内での患者が発生して以降、保健福祉部との連携のもと、患者に関する情報や流行状況、学校等の臨時休業措置状況等について、患者等のプライバシーに配慮した上で、積極的にインターネットによる情報の提供を行ってきた。
 これにより、当室のホームページへのアクセス数が飛躍的に上がるとともに、県民からの問い合わせも多く寄せられ、県民の新型インフルエンザへの意識が高いことがうかがえた。

◆各部局庁との連携・情報の共有
 危機への対応については、各部局庁間の連携は必要不可欠であることから、対策本部会議のほか各部局庁の企画監(課長級)を構成員とした「茨城県危機管理連絡会議」を開催し、庁内各部局との連携を図ることとしている。
 新型インフルエンザへの対策においても、危機管理室において、新型インフルエンザ対策本部会議を開催し、各部局庁における対応を検討するとともに、茨城県危機管理連絡会議を適宜開催し、各部局庁との情報共有を図った。
 また、各部局庁に対し、新型インフルエンザ患者の発生や学校等の臨時休業措置状況などの各種情報を、メールにより定期的に情報提供し、同一の情報に基づき対策に取り組めるように努めた。

◆学校等の臨時休業措置への対応
 新型インフルエンザの感染拡大を防止するために大きな影響を持つのが、学校等の臨時休業措置である。
 しかし、学校において臨時休業措置を行うには、児童・生徒のカリキュラムの遅れというリスクも伴うことから、患者発生時における臨時休業の範囲及び期間等の基準について、保健福祉部及び教育・社会福祉施設担当部局との調整を図り、対策本部として施設管理者への臨時休業の要請等を行った。

◆茨城県業務継続計画(新型インフルエンザ編)の策定
 今回の新型インフルエンザは、基礎疾患を有する者等は重症化の可能性が高いとの報告があるが、他方、多くの感染者が軽症のまま回復することや抗インフルエンザウイルス薬の治療が有効であることなど、季節性インフルエンザと類似する点が多い状況にある。
 しかし、今後、強毒性といわれる高病原性鳥インフルエンザの発生が懸念されており、発生時においては県の行政運営に支障が生じることも考えられる。
 そのような場合においても、県民への行政サービスが提供できるよう、今年度中に業務継続計画(新型インフルエンザ編)の策定を行うこととしている。

4 新型インフルエンザ対応への課題

 今回の新型インフルエンザについては、対策本部における全庁体制による対応を行ってきたところである。
 しかし、新型インフルエンザ感染対策については、医療面での対策が主となってくることから、対策本部事務局における医療対策班(保健福祉部門)に対応業務が集中する状況であった。
 今後、高病原性鳥インフルエンザの発生が懸念されていることから、今回の新型インフルエンザへの対応を踏まえ、対策本部の機能が最大限に発揮できる体制の整備に努めていくこととしている。

5 終わりに

 本格的な冬を迎え、例年、この時期にインフルエンザの流行が顕著となる傾向にある。インフルエンザの流行状況については、患者定点医療機関からのインフルエンザ患者報告による流行指数により把握しているところであるが、現在流行しているインフルエンザのほとんどが新型インフルエンザであることが報告されている。
 本県では、48週(平成21年11月23〜29日)の32.83をピークに徐々に減少している状況にあるが、「警報」が継続されていることや流行の第2波を想定し、今後とも医療機関との連携を強化し、新型インフルエンザワクチンの円滑な接種を進めるとともに、県民に対し引き続き「手洗い・うがいの励行」「咳エチケットの実践」「外出時のマスクの着用」を呼びかけ、感染防止に努めることとしている。



NO.99 (2010.冬号)
巻頭随想 死をめぐって・・・病院外心停止と救急のニーズ
1.新型インフルエンザ(パンデミックH1N1 2009)の現状
2.新型インフルエンザとは何か
3.消防機関における新型インフルエンザ対策
4.報道の立場から見た新型(豚)インフルエンザ騒動
5.茨城県における新型インフルエンザへの対応
6.新型インフルエンザに対する救急活動の取り組み
7.新型インフルエンザに対する京都府の取り組み
8.神戸市における新型インフルエンザの対策ーこれまでの対応を振り返った今後の対策ー
防犯まちづくりから消防への示唆
火災・事故防止に資する防災情報データベースについて
連載講座 連載第6回 つらい仕事もチームで楽しくー木下藤吉郎ー
地域防災実戦ノウハウ(62)
火災原因調査シリーズ(55)・倉庫火災
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