消防力の適正配置等事業

消防本部管内で日常発生する災害事案に対して、当センターが開発した消防力適正配置システムを用いて算定し、消防署所や消防車両を効率よく整備運用できる資料を提供しています。市町村合併や消防広域化に伴う管轄区域や消防力配置の見直し、近隣消防本部との連携・協力事業の構築、署所の新設・移転・統廃合、消防車両の増減・再配置等、消防力の再編・検討に大変効果的です。

調査の主な目的

消防本部等が適正配置等調査を実施する目的は、例えば次のA ~ D の様に分けることができます。調査のすすめ方や重要視すべき箇所はそれぞれ異なっています。当センターでは、豊富な経験から、調査を委託される消防本部等の目的に応じて、調査のすすめ方や効果的な成果物をご提案します。

  • A.消防広域化の検討
  • B.消防力の連携・協力事業の検討
  • C.署所や車両の適正配置の検討
  • D.署所や車両の新設、移転、統廃合等の検討

調査内容

調査手順は、次のとおりです。それぞれの手順で作成される資料は、客観性の高い説明材料として、消防力整備を進める多くの場面で活用することが出来ます。
作業は【1】から【4】の順に進められ、進捗状況は経過報告においてご説明します。また、【3】と【4】の検討は、調査を委託される消防本部等の意向に沿って進められます。このため、特に【3】と【4】の検討には多くの時間を充てる様にします。

【1】消防力に関連深い消防需要指標の分布把握

例1:救急事案件数の分布

例2:消防需要指標値*の分布

※消防需要指標値は、火災と救急事案件数を基に、統合作成する指標値のことです。

【2】現状の消防力の充足状況を把握( 消防力毎に効果を把握)

例3:第2着ポンプ車の走行時間

例4: 救急車の走行時間(同時発生を考慮)

【3】広域化や連携・協力、署所の移転統合等、検討内容に応じた適正配置や運用効果の把握

※関連するケーススタディを試算し、より良い消防体制を求め検証を繰り返します。

例5:中央消防署の適正配置例

例6: 広域化や連携・協力による短縮(差分)

※括弧内は配置の変更による運用効果(変化量)。
例7:配置案と現状との運用効果比較表

【4】消防の将来像検討・まとめ

これに加え、消防本部等が抱える各種課題についても調査の一環として取り組みます。
課題は消防本部等によりさまざまですが、例として次の項目が挙げられます。

  • 少子高齢化による人口動向と救急需要動向の把握
  • 消防署所規模の検討(消防署、分署、出張所等の検討)
  • 消防職員と消防車両の効率的運用の検討
  • 出動頻度から見た乗り換え運用の検討
  • 消防本部位置の条件整理・検討
  • 消防訓練施設の条件整理・検討 ほか

例8:少子高齢による人口と救急搬送人員の動向例

消防庁舎の構想検討

消防署所の配置について検討した場合、実現化には消防庁舎の整備が必要となります。一方で、消防庁舎の整備は消防本部にとって一大事業であり、将来を見越した提案が求められます。
当センターはこれまでの経験から、消防庁舎に求められる役割、必要な諸室・機能と面積、留意すべき動線等、最新の情報を基に消防庁舎の基本構想をご提案します。
消防本部等はこれを基として省力化を図り、より本質的な庁舎機能の検討を深めることができます。

例9: 敷地及び庁舎のゾーニングと動線例

調査のすすめ方

調査にあたっては、調査経験豊富な研究員、現場経験豊富な消防職員OB が調査のためのチームを組み、消防本部の運用実態を熟知した上で作業にあたります。
調査報告は、適正配置システムを用いた算定結果、統計データなどを基に作成する各種付属資料、現地調査の結果及び打ち合わせや聞き取りにより得られるさまざまな要件を総合的に判断して、消防本部等の実態を踏まえ、委託目的に適ったご提案を行います。

調査期間

調査期間は、調査内容にもよりますが概ね6 か月から1 年、現地調査や数回の経過報告を経て、報告書を取りまとめます。また、必要に応じて中間報告をとりまとめることもできます。

調査実績(一部)


平成28年度 平成29年度
① 青森県 弘前地区消防本部 ① 大阪府 大阪府消防広域化検討
② 茨城県 県央地区推進研究会 ② 福島県 福島市消防本部
③ 千葉県 匝瑳市横芝光町消防本部 ③ 埼玉県 草加八潮消防組合消防局
④ 埼玉県 川口市消防局 ④ 埼玉県 埼玉東部消防組合消防局
⑤ 神奈川県 横浜市消防局 ⑤ 長野県 南信広域連合飯田広域消防本部
⑥ 神奈川県 小田原市消防本部 ⑥ 岐阜県 岐阜市、山県市、本巣消防組合消防本部
⑦ 神奈川県 厚木市消防本部 ⑦ 愛知県 瀬戸市消防本部
⑧ 新潟県 上越地域消防本部 ⑧ 熊本県 宇城広域連合消防本部
⑨ 岐阜県 可茂事務組合消防本部 ⑨ 神奈川県 寒川町、茅ヶ崎市(連携・協力モデル)
⑩ 愛知県 西尾市消防本部 ⑩ 三重県 鈴鹿市、亀山市(連携・協力モデル)
⑪ 愛知県 尾三、豊明市、長久手市消防本部 ⑪ 愛媛県 松山圏域(連携・協力モデル)
⑫ 京都府 相楽中部消防本部 ⑫ 新潟県 上越市消防団
⑬ 大阪府 泉州南消防本部
⑭ 奈良県 奈良県広域消防本部
⑮ 広島県 江田島市消防本部
⑯ 熊本県 菊池広域連合消防本部
⑰ 鹿児島県 大隅肝付消防本部
平成30年度 平成31 / 令和元年度
① 秋田県 秋田市消防本部 ①宮城県 名取市消防本部
② 茨城県 常総地方広域市町村圏事務組合消防本部 ②秋田県 能代市山本広域消防本部
③ 千葉県 袖ケ浦市消防本部 ③栃木県 石橋地区消防本部
④ 長野県 南信広域連合飯田広域消防本部 ④埼玉県 さいたま市消防本部
⑤ 愛知県 尾三消防本部 ⑤神奈川県 小田原市消防本部
⑥ 滋賀県 湖北地域消防本部 ⑥ 山梨県 甲府地区消防本部
⑦ 滋賀県 甲賀広域消防本部 ⑦長野県 松本広域消防局
⑧ 兵庫県 豊岡市消防本部 ⑧愛知県 尾三消防本部
⑨ 山口県 山口市消防本部 ⑨愛知県 尾張旭市消防本部
⑩ 大分県 共同指令センター検討(連携・協力モデル) ⑩三重県 桑名市消防本部
⑪ 奈良県 奈良市消防局(連携・協力モデル) ⑪滋賀県 甲賀広域消防本部
⑫ 福岡県 久留米広域消防本部(連携・協力モデル) ⑫兵庫県 三木市消防本部
⑬広島県 廿日市市消防本部
⑭愛媛県 宇和島市消防本部
⑮大阪府 河内長野市消防本部(連携・協力モデル)
⑯山梨県 共同指令センター検討(連携・協力モデル)
⑰沖縄県 消防広域化、連携・協力検討(連携・協力モデル)
令和2年度 令和3年度
① 長野県 消防力強化検討 ① 秋田県 男鹿地区消防本部
② 福島県 会津若松地区広域消防本部 ② 埼玉県 春日部市消防本郡
③ 茨城県 茨城西南地方広域消防本部 ③ 神奈川県 横浜市消防本部
④ 茨城県 筑西広域消防本部 ④ 神奈川県 小田原市消防本部
⑤ 埼玉県 埼玉東部消防組合消防局 ⑤ 長野県 諏訪広域消防本部
⑥ 埼玉県 草加八潮消防局 ⑥ 福岡県 行橋市消防本部
⑦ 富山県 立山町 ⑦ 熊本県 菊池広域連合消防本部
⑧ 石川県 金沢市消防局 ⑧ 宮崎県 西諸広域消防本部
⑨ 山梨県 峡北広域消防本部
⑩ 三重県 四日市市消防本部
⑪ 茨城県 守谷市消防団
⑫ 滋賀県 米原市消防団
⑬ 奈良県 奈良県広域消防本部
⑭ 広島県 東広島市消防本部
⑮ 福岡県 福岡市消防局
⑯ 高知県 香南市等3市共同運用検討(連携・協力モデル)
⑰ 徳島県 消防力常備化検討(連携・協力モデル)
⑱ 長崎県 離島消防本部の強化・維持検討(連携・協力モデル)
令和4年度   
① 千葉県 消防広域化検討    
② 長﨑県 共同指令、消防力強化の検討    
③ 千葉県 浦安市消防本部    
④ 神奈川県 横浜市消防局    
⑤ 神奈川県 小田原市消防本部    
⑥ 静岡県 静岡市消防局    
⑦ 愛知県 尾三消防本部    
⑧ 三重県 菰野町消防本部    
⑨ 兵庫県 西はりま消防本部
⑩ 広島県 北広島町消防本部
⑪ 広島県 備北地区消防本部
⑫ 愛媛県 八幡浜地区消防本部
⑬ 福岡県 宗像地区消防本部
⑭ 福岡県 八女消防本部
⑮ 神奈川県 小田原市消防団
⑯ 神奈川県 南足柄市消防団